藤田伸二騎手の暴行に課される処分の度合い
先日、藤田伸二騎手が、栗東市内のとある飲食店において、
店員に暴行を働いたとの事件の容疑者として、書類送検されました。
これに対し、JRAは、27日13時15分より、
JRA本部六本木事務所において、
「騎手 藤田伸二の暴力事案」に対する第1回目の裁定委員会を開催。
今後の手続については、
行政手続法に基づき藤田伸二騎手からの弁明書の提出を受けて、
第2回裁定委員会において当該弁明書の内容を精査したうえで最終的な処分が決定されるとのこと。
なお、第2回裁定委員会終了後に処分の内容等について発表されるようです。
JRAが騎手に対して与える制裁としては、騎乗停止が一般的ですが、
本来レース中に起きた出来事に関しての騎乗停止は、
最長でも4日間(土日の4日間で、現実的には2週間。地方も海外も×)とされていますが、
それ以外が原因の場合は、長期の騎乗停止が課される場合もあります。
今までに、暴力行為などで長期の騎乗停止が課された例は以下の通り。
柏崎正次
1984年11月19日、東海道新幹線で飲酒の上、乗客に暴行をした。裁定委員会の議定により3ヵ月間の騎乗停止。
後藤浩輝
1999年8月19日、美浦トレーニングセンター騎手独身寮「若駒寮」において後輩の吉田豊騎手と口論となり、木刀を用いて暴力行為に及び負傷させた。裁定委員会の議定により4ヵ月間の騎乗停止。
現在の競馬ファンには、後藤浩輝騎手の木刀事件は知られるところ。
相手が同じJRA騎手だったにもかかわらず、事態を重く見たJRAは4ヶ月の措置を下しました。
その以前にあったのが、柏崎正次騎手による、一般人への暴行です。
こちらは、飲酒が絡んでおり、3ヶ月という措置となりました。
今回の藤田信伸二騎手の事件は、後者に非常に近いと言えるでしょう。
柏崎騎手の例にのっとると、藤田騎手も3ヶ月程度の長期騎乗停止となるかもしれません。
ところで、JRAの裁定委員は、飲酒による暴行をどのような行為と考えるのでしょうか。
一般論でいえば、酒によって酔っ払っている状態だと、
正常な判断ができなかったということで、情状酌量の余地があるのかもしれません。
しかし、騎手という職業は、日常から減量やその他の職業的理由で、
自己管理能力の高さが問われるものです。
一流ジョッキーならば、自己管理能力が高くて当然。
一流ジョッキーならば、他のジョッキーの見本となる存在でなくてはならない。
こういうイメージがどうしてもついて回るものです。
今回の事件の場合、酒によって正常な判断が出来ずに暴行に及んだとなれば、
一流ジョッキーとしてあるまじき自己管理能力の低さと捉えられることもあるのではないでしょうか。
成績的には、
デビュー以来毎年中央競馬の重賞を優勝、中央競馬全10場重賞制覇にくわえ、
全ての騎手のお手本となる存在として、特別模範騎手賞を受賞している文句なしの一流ジョッキー。
しかし、競馬場の中では模範的という印象が、
皮肉にも外での暴力事件をより目立たせてしまった感じがします。
まだJRAによる処分は確定されていませんが、
藤田伸二騎手が一流ジョッキーであるからこそ、
逆に長期の騎乗停止が課されることもあるかもしれません。

