2006年12月20日

よりレースの本質に近づくために<スローペース編>

競馬のペース判断もさらに詳細に」の記事で、
競馬のレースを、意味のあるハロンごとの塊にわけることが、
レースの本質に近づくことになると書きました。
今日は、実際に塊ごとに分割し、レースの本質をタイプ分類していきます。

レースを分割するといっても、あまり細かく分割しすぎてしまうと、
結局ハロンごとに分割するのとあまり変わらなくなってしまうので、
全体を3つに分割してみます。

レースの前半部分で1つ、上がり3Fで1つ、その間で1つ。
ここでは、基幹距離ともいえる芝の2000m戦を例にとりあげてみます。

前半5F---3角手前からの2F---上がり3F

という分割をしてみましょう。

この分割方法は、レースを前半1000mと後半1000mに、
さらに後半1000mを400mと600mに分割しています。

まず、レースのペースを判断するために、前半1000mと後半1000mを比較しましょう。
前半のタイムと後半のタイムの開きが1秒以内だった場合は、
平均ペースと考えていいでしょう。
1秒以上の開きがあった場合に、
前半が遅ければスローペース、前半が早ければハイペースとします。

こうして3つに分類されたレースを、後半のペースの動きで、さらに分割していきます。

スローペース

前半が平均より遅いために、各馬とも余力が溜めやすい展開です。
ここからの後半1000mの動きには、2種類あります。

①後半徐々に加速型

1000m通過 62.0 3角前2F 24.7 上がり3F 35.5

②ヨーイドン

1000m通過 62.0 3角前2F 26.5 上がり3F 34.2

上の2つは具体例としてあげました。

①と②を比較してみると、3角前2Fの時計が2.3も違います。
①は1000m通過後、3角前2Fで既にペースが若干あがっているのに対して、
②は相変わらずの超スローペースのままです。
そして、それは最後の上がり3Fのタイムに現れてきます。

①の場合は、3角前2Fでペースが上がっている分、
それまで溜め込んでいた余力を多少消費しているので、
上がり3Fのタイムは多少かかっていますが、

②の場合は、残り3Fまで徹底してペースがあがらず、
どの馬も余力を十分に残しているので、
上がり3Fのタイムもかなり速いものとなりました。

どちらもスローペースのレースですが、その内容はまるで違います。
①のように、3角前2Fでペースが上がり、上がり3Fが多少かかるレースは、
長くいい脚を使えるタイプの馬が得意とします。
スタミナや底力が必要となり、瞬発力だけに秀でる馬には向いていません。

逆に、②のように完全に上がり3Fで勝負が決まるレースは、
瞬発力に秀でる切れ味タイプの馬が得意とします。
全ての馬が余力十分なため、600mの熾烈なスプリント戦となります。
一瞬の脚が使えない長くいい脚タイプの馬には向いていません。

どちらもスローペースですが、①で勝てる馬はおそらく②では勝てず、
また、②で勝てる馬は①では勝てないでしょう。

新聞紙上などでは、どちらもスローペースのレースとして同じように扱われます。
しかし、レースを3つに分割して考えることによって、2つのレースの顔が見えました。

スローペースのレースがこのように2つに分けられるのであれば、
おそらくミドル、ハイペースのレースも分けられる気がしてきませんか。
次は、ハイペースについてやっていきましょう。

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