2006年12月25日

有馬記念回顧<中身は少々お粗末だった>

感動のラストレースを飾ったディープインパクト。
文字通り完勝と言っていい内容だったといえるでしょう。
いつものように3コーナー過ぎから大外を回ってまくりながら上がっていき、
1頭だけ次元の違う上がり33.8を繰り出してのレースは、
これぞディープインパクトと言うべきものでした。

ディープインパクトが、改めて敵がいないことを示したレースとなりましたが、
ディープインパクト以外の馬にとっては、有馬記念はどういうレースだったのでしょうか。

引退するディープインパクトに華を添えるレース?

違うでしょう。
ディープインパクトという最強の存在を脅かすことによって、
来年の主役の座を狙うためのレースだったはずです。

ディープインパクトの力が際立っているのは今までのレースでわかっています。
ディープインパクトの最後の末脚の凄まじさもわかっています。
ならば、なぜその末脚を封じるようなレースをしようとしないのでしょうか。

ディープインパクトに勝ちにいっての敗戦ならば、価値があります。
惨敗したとしても、その評価が下がることはありません。
しかし、今年の有馬記念でディープインパクトを負かそうとしていた馬は、
実はほんの一握りしかいなかったように感じました。

1頭は、けれんみのない逃げをうったアドマイヤメイン。
残念ながら直線手前で捕まってしまいましたが、
一人ハイペースで逃げたところに、
馬の持ち味を生かし、あわよくば勝ってやろうという姿勢が見えました。
直線向いても最後まで抵抗していたことも評価できます。

もう1頭は、ドリームパスポート。
ディープインパクトに勝つためには、イチかバチかでインで溜め、
前が開いたときに一瞬の切れを発揮する以外ありませんでした。
鞍上の内田博幸騎手は、その通りの乗り方をしました。
結果的に前が開くのに時間がかかったため脚を甘した形となり、4着に終わりました。
もし、もっと王道の競馬をしていたならばおそらく2着にはこれたでしょう。
悪くても3着は外さなかったはずで、内田博幸騎手もそれをわかっているはずです。
それでもあえて、万に一つの勝機のためにインで溜めた騎乗でした。

それと比べて、他馬はディープインパクトが勝つことを前提に、
はじめから2着争いをしていたように映りました。

逃げたアドマイヤメインから離れた2番手には、距離に不安のあるダイワメジャー。
距離に不安があるからこそ、この馬が自分から仕掛ける可能性は低いです。
ここは、一瞬の切れはないが、長くいい脚には自信がある
メイショウサムソン・デルタブルース・コスモバルクといったあたりが、
後ろのディープインパクトを意識して早めに仕掛ける場面でしょう。

もちろん、そういった騎乗をしたら惨敗の可能性もあります。
しかし、ディープインパクトの脚を使わせることはできます。
うまくゴールまで持てば、万が一というシーンもあったかもしれません。

しかし、どの馬も無難な騎乗をしました。
結果、ディープインパクトは3コーナーからスムーズにまくることができ、
上がりが34秒台を切る、最も得意といえるレースに持ち込むことができました。

このレースを見て、ディープインパクトファンは喜んだでしょう。
彼が最後まで圧倒的な勝ち方をしたのですから。
しかし、僕は不甲斐ないレースをした他馬についての落胆が隠せません。
こんな馬たちが来年は主役を張ろうとしてるのかと考えると、
楽しみも半減してきます。

1月6日から始まる来年度の競馬。
スター不在の競馬界の先行きが、少々不安視されます。

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